中学生の質問にお答えします。

これは、去る5月に山ナメクジがガイドをした中学生
から寄せられた質問に答えたものです。


★この仕事についたのはなぜですか?
 この仕事に就いた理由は、話すととてもながくなりそうで困っちゃいま
すが、一言でいうなら私は このような「山の自然」に助けられたことがき
っかけです。みんなのように私も思春期の頃は非常に 多感な青年でした。
いろんなことに思い悩みいつも精神的にぼろぼろでした。たとえば「ある
生き物 が生きていくということは必ず他の生き物を食べていかなくちゃい
けない。こうやって私が毎日生き ていけるのもその影には必ず私のために
犠牲になっている何百、何千の生き物がいるんだ。」と言う ように自分の
存在を一生懸命考えていました。わざわざこんなことを深く考えなくても
人は生きるていけそうな気はしますが、私はここで大きくつまずいてしま
いました。そんな苦しみの中で出会った のが「山の自然」でした。それか
らずっと山の仕事を続けるようになりました。


★毎日どのような事をしているのですか?
 ここの「カヤの平高原総合案内所」で訪れて来るお客さんにここの「カ
ヤの平高原」のことについていろいろ案内をしています。訪ねられる内容
はほんとうに広範囲で、一般的な道路案内、山の状況 の説明、植物やキノ
コの鑑定いろいろです。


★この仕事につくまでにどのようなことをしましたか?
 いろいろなことをしました。私は高校を卒業してから「美術大学」へ進
学しようとして東京の美術大学へパスするための専門的な予備校へ通いま
した。新しい《もの》を作るアーティストになろうとして3年間ぐらいが
んばった時がありました。でもだめでした。どうも持病の精神的にプッツ
ンしてしまう時がしばしばあって時たまみんなに評価される作品は作るの
ですが、アートの世界の人並みのコースにも乗ることはできませんでした。
 もっと正直なところ、私は高校生時代から生きる目的、目標をまったく
失っていて、その頃から地元にある禅寺に通って座禅などしてました。そ
して卒業後も何も目的がないのでそのお寺で雲水(修 行僧)としてしばら
く生活をしていたこともあります。


★仕事を通して学んだことを教えてください。
  まず、「生きる目的、目標」を学びました。
よく、仕事は仕事、趣味は趣味と区別して、仕事は生活するための手段だと
して辛くても我慢しなくてなならないと考えることが一般的です。またそう
しないことには生活が成り立たなくなることも現 実かも知れません。しか
しだんだんと仕事イコール趣味であって生き甲斐であって生きる目標にして
いる人達がこの日本では増えてきていることを感じます。私は自分のアイデ
ア(考えていること)や イメージを自分で表現してそれをみんなに売り込ん
でいくという仕事を目指しています。どんな仕事でもその仕事に自信と誇り
を持つことができ、しかもそこに自分の生きる目標もみつけらる仕事をこれ
からがんばって探してください。そのために今日のようにいろいろなことを
している人に出会って「真面目に聞き、質問をしっかりする」を実行してく
ださい。


★今までで一番大変なことは何だったのですか?
 仕事の上では、自分のアイデア(考えていること)が回りの人に理解して
もらえず、私は正しいと 思ってしていることがみんなには認められず、過っ
たことをしている悪者(害虫)あつかいにされて しまうことがしばしばあり
ました。そのために私はこの仕事をしていて方々からプレッシャーを受けま
した。大変になればなるほど「こんちくしょう!いまに見ていろ!」という
ような沸き上がってく るファイトでがんばっていますが。
 今でこそ、『環境問題』とか『自然保護』は非常に重要視されてます。現
在ほんとうに大変な問題です。しかしこれも人間の生き方が変化していくに
つれていずれ『環境問題』も『自然保護』もある 形でクリアされて行くと考
えています。そしてさらにもっともっと大変な問題に人間は直面するだろ う
と思っています。
 そんな大問題にみんなは立ち向かわなければならないわけですよ。


★今の中学生に何メッセージを一言お願いします。
 みんなの回りには私の中学生のころよりも『物』があふれています。非常
に 便利になって使い方さえあやまらなければどんどん快適な生活になるよう
に思 えるのですが、実は人間というのは、そんな に賢い優れた生き物じゃ
な いんで す。必ず過ちをします。そこをまず自覚してほしいのです。
 『物』の中には『危険物』もたくさん含まれています。最近は実体の存
在しない『物』、『ニセ物』 が横行を極めています。その一番目立つもの
が『お金』です。次に『情報』かな。
 また『危険物』と『ニセ物』をうまくあやつって生きている人は限り無く
います。
ほんとうにちょっとしたきっかけで思わぬ生き方を強いられる落とし穴が君
たちの回りにはたくさんあるんだということも自覚してください。
 大自然の中に分け入って、たったひとりの自分の存在を自覚してください。
 なんだかちょっと難しくなっちゃったかなぁ。
『ほんとうの自分を発見して自覚する』というと分かりづらい?
『あるがままの正直な自分を見つけてそのまま素直に認める』と言うことかな。
これができるとどんな問題にも立ち向かうことができるようになりますよ。
私は「山の自然」の中でようやくそのことに気付きました。